妥協

セカンド・アルバムは一年足らずの間にツアーのため3度目の渡米をした数日後に
発売された。

ビルボードではファースト・アルバムが38週目にして18位と好位置につけており、
すでに78万枚を売り上げていたが「」は予約だけで50万枚を超え、リリースと同時
にゴールド・ディスクに輝いたのである。
同じ頃発売された THE BEATLES の「ABBEY ROAD」、STONES の「LET IT BREED
とともに熾烈なチャート争いを繰り広げるであろうことは容易に想像できた。

リリースから一ヵ月後には2位まで上昇したが、そのときの首位は「ABBEY ROAD」、
その座を奪い取るのは不可能と思われた。
しかし、60年代最後のクリスマスを控えたある日、アトランティックは興奮のうちに
ロンドンのピーター・グラントとメンバーに宛てて打電していた。
12月27日付けのチャートで、とうとう「LED ZEPPELIN Ⅱ」は「ABBEY ROAD」を蹴落
として1位に輝いてしまったのである。

その後7週に渡り首位をキープしていたセカンド・アルバムがその座を譲ったのが、
SIMON & GARFUNKEL の「BRIDGE OVER TROUBLED WATER」だった。
後に歴史に残る銘版がこの時代に多数リリースされているということ・・・・その事実
が「イコール、昨今の音楽業界の不振」とまでは言わないが、なんとユニークな個性
に富んだ面々が揃っていた時代だったんだろう、と思わざるを得ない。
今のバンドにその面影は全くといっていいほど見出されない・・・ここでも没個性の
現代というものが反映されてしまっていることに本人たちは気づいているだろうか?


とにもかくにも60年代の崇高な音楽家たちを蹴散らした彼らは、70年代を君臨して
いくこととなるのだが・・・

ここで不思議なことがある。
ファンならずとも今では周知の事実であるツェッペリンの成功だが、評論家やメディア
からはこの頃正当な賞賛を浴びていないということ。
米国のAM局などは時間的制約のため3分以上の曲はかけようともしなかった。
しかしリスナーからの要望やアルバムの驚異的な売上を無視できなくなった彼らは
「WHOLE LOTTA LOVE」のシングルカットを要求してきたのである。

4人はいかなる編集にも応じようとはしなかったが、しばらくしてアトランティックは
メディアからの要求に負けて編集版「WHOLE LOTTA LOVE」をリリースしてしまった。
現実にこれは最高位4位までチャートを駆け上がり、バンドとしても全キャリアの
中で類を見ないヒットとなったもののバンドにとっては妥協の産物以外のものでは
なかったのである。

これに気をよくしたアトランティックは英国でもシングルを発売しようとしたがグラント
の強烈な反対で次のような発表を行っている。

 この曲はアルバム・コンセプトの一環として書かれたものであり、ツェッペリン
 これをシングル発売するつもりは毛頭ない。彼らは英国でのシングル用に新曲を
 書いており、来週レコーディングする運びとなっている。

ここで公表されたシングル・レコードは実際には発売までは至っていないが、出て
いたら・・・・どんな作品になっていたのか、今となっては聴いてみたい気もする。


この3度目のツアーで彼らは思いがけないことで頭を悩ませることになった。
ステージでの演奏セットの変更、けっきょく「YOU SHOOK ME」を外したかわりに
」から「HEARTBREAKER」、「WHAT IS AND WHAT SHOULD NEVER BE」、
「MOBY DICK」、「BRING IT IN HOME」の4曲を取り上げた。

このため3曲増えた演奏セットは2時間以上にも及ぶものとなり、よりライヴでの
緊張感をアップさせるものとなった。
曲の選定をしたペイジは・・・

 どれを落とすかなかなか決まらなくて。「DAZED AND CONFUSED」みたいな
 決めの曲を落とすわけにはいかないから自然と時間が長くなってしまった。
 お客さんにはずいぶんとウケがよかったんで安心したけど。

と語っている。
これは自分たちのどの曲にも自身を持っていた彼らならではの悩みと言えるか
もしれない。

同時期にデビューした BLIND FAITH も一度きりのツアーを行っているが直後
に解散、米国でのコンサート・シーンを駆け上る彼らの勢いは誰にも止められ
そうになかった。

                                    (つづくw)


【さてさて】
70年代にさしかかろうとするこの時期、私はまだフォーク側の人間でしたw
もちろんツェッペリンの名前は知ってたけど、どちらかというとS&Gとかのほう
を聴いてましたからね(^^)
この後S&Gの解散を機にロックも聴きだしていくわけで・・・実際にアルバムを
買い揃えていくようになるまではあと2年くらいかかりますw、なぜなら・・・

本文中でも触れましたが、ジャンルは違えど後世に名を残す大物が目白押し。
いい時代だったんだなぁ・・・・あと10年、いやあと5年早く生まれてたら今とは
また違った音楽体験をしていたと思います。
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by shika_monologue | 2005-06-22 03:19 | 鉛の飛行船の話 | Comments(3)

Commented by kawamukai at 2005-06-22 11:03 x
おはようございます(^o^)
それでもリアルタイムなんですよね。うらやましい~。
今、海外でもシングル先行のアーティスト多いですよね。あっ、それって
アーティストって呼べない気もしますね。
アルバムにコンセプトがあって、みんながいいっていうのに
シングルカットしない...格好よすぎますね。
確かに1位のとりあいは怪獣同士の闘いですね。それぞれが後生に
多大な影響を与え続けていますね。スゴイ!!
Commented by 奈良の鹿 at 2005-06-22 13:04 x
いやまあ、ウチは兄貴がいたから小学校のときにはもうPOPSを聴いて
ましたね(^^)
なんせ「シカゴ」とか「スリードッグナイト」とか既に買い始めてましたからw

この頃は評論家も60年代を生きてきたバンド寄りだったみたいですね。
てか世間もそうだったみたいで、よく米ツアー中もヒッピー扱いされたよう
です、今じゃ考えられないですね(^^;)
Commented by axis_009 at 2005-06-24 18:13 x
大作シリーズですね。まとめて読ませていただきました。次回も楽しみにしてますね。
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