好機

3度目のツアーも終盤にさしかかったころ、バンドは結成一周年を迎えていた。
評論家の予想とは裏腹に彼らは消え去る気配もなかったが、マスコミはこの機会に
ツェッペリン現象を分析しようと試みる。

 バンドの圧倒的な人気を理論的に説明できないものか?


だが、彼らのミュージシャンとしての技量や、類を見ないライヴの価値に注目したの
はほんの一握り、大半の関係者はその圧倒的な成功を持て余していた。
「異形」、「偶発的な事故」、「運命の気まぐれ」・・・様々な暴言が吐かれる。

 ・よくできた金儲けマシンである
 ・でっちあげだけを頼りにあれだけの成功を収めた
 ・プラントDoorsジム・モリスンの模倣にすぎない
 ・彼らの観客は重度の麻薬中毒者だ
     etc.

当初から、その成功を予見できなかったマスコミは、こうした言いがかりをつけること
で自分たちを正当化することに懸命だった。

モリスンのパクリだと言われたプラントは、

 単に誰かの抜けた穴を埋めるだけなら苦労はしない、いわゆるツェッペリン・クローン
 ってやつも山ほど見たが、いかに上手くパクったところでオリジナルとは絶対に呼ば
 れない、僕が思うにツェッペリンは明らかにオリジナルだったんだ。

普段温和なジョンジーも皮肉たっぷりに、

 ラリっちゃって正気を失っている人たちにも僕らのよさが判ってもらえればうれしい。

東海岸の評論家、エレン・サンダーは自身の著書の中でこう中傷している。

 彼らの成功は巧妙なプロモーション戦略によって築かれている。
 前のアルバムが頭打ちになったところでタイミングよくニュー・アルバムをリリース
 することで彼らの名前は常にメディアに露出していなければならない。

ここでも大きな間違いがある、彼らの音楽性については一言も触れられていない。
事実と一番異なるところは、前回の記事でも書いたように「ツェッペリンはほとんど
プロモーション戦略などの世話になっていない」という点である。
(シングル・カットを頑なに拒否したその姿勢にも見て取れるのだが・・・・)

メジャーなミューシック・シーンに登場する以上、商業的成功というものは無視する
ことはできない、そのために彼らは最善を尽くす努力をしてきた。
しかしそれは間違いだといえるだろうか?他のあらゆるアーティストと同様、利益を
優先することは否定できない。

ビートルズが英国で何度も法廷闘争をしてきたのは、いずれも直接金銭が絡んで
いたからに他ならない、自己満足のために音楽に関わっているミュージシャンなど、
存在しない、彼らはボランティアでやっているわけではないのである。
資本主義のなかで彼らが途方もない報酬を受けていることは至極当然のことで
ある、以外の方法で不当な高額報酬を搾取している連中のほうがずっと多い。

ツェッペリンを「金目当てのでっち上げ」とした評論家たちには、彼らの音楽性など
はまったく関係のないものだった。

しかし、ツェッペリンの音楽が計算だけで作れるものでないことは歴史が物語って
いる。
もし彼らのうちの一人でも違っていれば、今残っているツェッペリンの音楽とは全く
違うものになっていただろうし、ヘタすればスタンダードとして残っていなかったか
もしれないのだ。

ペイジは冗談混じりに自分たちの成功についてこう語っている・・・

 たぶん僕らはちょうどいい時に、ちょうどいい音楽を、ちょうどいい人たちに向け
 てプレイしたんだろう。


                                    (つづくw)


※ここから先はオマケです、トバしていただいても全然OKですw

【評論家】
私は評論家ではないし、LED ZEPPELIN のファンです。
でも、それだけで彼らを賛辞してるわけじゃないんですね。

よくネットショップなんかで「レビュー」というのが載ってるのをご存知ですか?
そこで目にすること・・・
いろんなミュージシャンのアルバムなり、楽曲についてこんなことを書いてます。

 ・ファンというものは盲目的にミュージシャンとその音楽について崇拝している。
  でも自分は出来がよくないものについてははっきり「出来が悪い」という。
 ・これは捨てアルバム、捨て曲だ。
 ・よくこんなアルバムを作ったものだ。


疑問です、なぜそのアルバムなり楽曲なりが「出来が悪い」と貴方に判るのか?
自分も曲を作るから判るけど、「これはしょーもないな」と思いながらレコーディング
するミュージシャンなんてこの世には存在しません。
みんな自分の作品には自信を持って世に送り出します。
商業的な成功・不成功と出来・不出来は別物です。
見ていると商業的に不成功(ようするに売れなかったw)ものに対してそういう評
が多いようです、楽曲の中身にはひとつも注目しないでね。

もちろん私もツェッペリンの曲の中には好きな曲もそうでないものもあります。
しかしそれは「私の主観」であって「良い・悪い」ではありません。
人が作ったものについて「良い・悪い」を判断すること自体、私は嫌いです。
最近流行りのものについても、私は「嫌い」なだけであって「出来が悪い」とは
思っていないんですね。

ミュージシャンにとって作品は自分の子供と同じ、ただの一作も「捨て」はない
と思います。

前出のレビュワーなどは「自分の中で嫌い」なものを「出来が悪い」とはき違えて
いるような気がします、相対的な見方でね。

こんな人もいます。

 ・このバンドはあのギタリストを失ってからカスになった。
 ・この人のヴォーカルさえなければ最高だ。


なら貴方がやってごらんなさい、そのバンドの足元にでもひっかかれば誉めて
あげます、絶賛もしてあげましょう。
単に自分の趣味でバンドなりメンバーなりを「カス」扱いする・・・

それこそ「盲目的」であると思うのは私だけでしょうか?


ちなみに何度もいいますが、「私は最近の『踊る音楽』は大嫌い」です(爆)
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by shika_monologue | 2005-06-25 01:07 | 鉛の飛行船の話 | Comments(5)

Commented by kawamukai at 2005-06-25 09:39 x
いいお話ですね。好き嫌いは別として、私は作った人の熱が感じられるとそれだけで好意的に捉えてしまいますね。
知らないジャンルでも友達ががんばってると応援したくなりますもんね。
あとは好き嫌いですね。ちなみに私は最近の踊るのも嫌いじゃないです(^_^;
Commented by 奈良の鹿 at 2005-06-25 16:10 x
>kawamukaiさん
「好き」か「嫌い」かなんて、対象をよく理解しないと判らないもんだと
思ってます。
でもうわべだけで語っている人が多いですよね、悲しいことです。
私の場合、演歌が嫌い(笑)なんですが、胸張ってそう言えるまでに
10年かかりました(爆)
『踊る音楽』については・・・『音楽』というジャンルにあてはめなければ
全然否定するつもりはないんですよ(^^) ただアレには『音楽』には
不可欠な要素がひとつ、欠けていると思ってしまいます。
「メロディライン」という要素がねw

>べるさん
「ジュピター」はね、まあジャンルが全く違うというのもありますが、
クラシックにおける「ホルスト『惑星』より、『木星』」というメロディを
上手く消化して活かしてると思いますよ(^^) そのへんが最近の
『MIX系』と違うところですねw
Commented by 奈良の鹿 at 2005-06-25 16:13 x
↑で書き忘れw
ココでいう『踊る音楽』とは、ラップ、ヒップホップ、および
(現在いわれているところの)R&B などですw
Commented by なおゆき at 2005-06-25 21:07 x
正直、目からウロコでした。
ジョンジーのコメントはオシャレでいいですね。

確かに、出来がどうのこうのっていうのは本人しか言ってはいけないのかも。
僕も曲作るからとてもよくわかりました。
ただ、そういうことをうまく言葉に、文章にできる鹿さんはちょっと尊敬です。
Commented by 奈良の鹿 at 2005-06-26 07:57 x
↑広告類のコメントは削除させていただきます♪(爆)
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