遅延系エフェクト・モデュレーション編

あきらかに音が遅延して聞こえる「ディレイ系」と違い、「モデュレーション系」は「揺れ」
の効果を生かしたエフェクトですね。
実は多少は遅延効果も含まれていて、「ディレイ系」と同じBBD素子を使用した製品で
あり、そこから出力された信号を加工して原音にミックスする方法も同じです。

さて、「モデュレーション」とはなんなのか?
日本語で言えば「変調」という意味ですね。


毎年、年末になるとヴェートーヴェン交響曲第9番「合唱」のイベントが大々的に行われ
ています。
あの美しいコーラスを聴いて皆さんは何を感じるでしょうか?

何百人からいる合唱団が発するコーラスは、その厚みや美しさで溢れています。
これだけの人数がいると100%音程やリズムが合致するということはありえません。
一人一人の声質も違うわけで、そこには微妙なズレが生じますよね。
でもそのズレは些細なものですから、そこからあの全体の心地よい「揺れ」が生み出さ
れるのです。
これがもし、100%合致した信号であれば・・・「揺れ」は生み出されず、ただの「デカい
声」になってしまうんですね(^^;)

この微妙なズレを「BBD」を使用することにより再現したのが「コーラス」というエフェクト。
微妙な遅延信号に低周波の発振信号を掛け合わせて原音に対しての「ズレ」を作り、
さらに原音とミックスすることにより、全体的な「揺れ」を再現しているんですね。
(コノ場合の「ズレ」とは微妙な音程(数セントという単位ですが)や振幅です)
それは人間の耳には「揺れ」というレベルではなく「厚み」として響くんですね(^^)


ここでちょっと話は逸れますが・・・

「コーラス」というのは「BBD」の出力信号にわざと「ズレ」を加味していますが、これを
なくすとどうなるでしょう?
この「ズレ」がなければ全体的な「揺れ」も生じないため原音と同じ音が重なった状態
になり、これが「ディメンジョン」というエフェクトになるわけです。(かんさん、OK?ww)

さらに「遅延系」とは異なりますが、原音に対して音楽的に合致した和音を構成する
ように音程のみの「ズレ」を大きくして原音にミックスしたものが「ピッチシフター」とか
「ハーモナイザー」と呼ばれるもの、さらに・・・

コーラス隊における「ズレ」が微妙なものだと心地よいですが、ここで何人かが全く
異質な声を発していたらどうなるでしょうか?(ようするに「音痴」な人がいたら・・・w)
これはもう「コーラス」という次元ではなく、「不協和音」になっちゃいますよね(^^;)
この原理を応用して原音とは関係のない発信音をミックスして「不協和音」を作り出
すエフェクタ-もあり、「リングモデュレーター」と呼ばれるものがソレです。
(昔のパッチコードで繋いでいくようなシンセサイザーにはこのユニットが入っていた
もんですが・・・そのころはシンセサイザーの音って「効果音」的に考えられていたん
でしょうね)


えー、話は戻りまして・・・

「コーラス」というエフェクトの「ズレ」要素をもう少し大きく(長く)してやると聴こえる
「揺れ」も大きくなるわけで「厚み」以外の要素も認識できるようになります。
これが「フランジャー」というエフェクターですね。

そしてさらに「ズレ」を大きくしてやると「フェイズシフター」というエフェクターになる・・・
(もともとは「レズリースピーカ」という音の通り道を回転させてドップラー効果に似た
音を得る装置を模したものが「フェイズシフター」だったんですけどね)

ようするにこれらの「効果」は同じ原理によって作られているわけです。


てことで、今日は「モデュレーション系」エフェクトに寄り道してしまいましたが明日
はシリーズ最終日、「デジタルディレイ」のお話になります(^^)

(しかし・・・ここ数日の記事は100%かんさん向けやなwww)
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by shika_monologue | 2006-03-06 00:01 | 音楽・楽器の話 | Comments(2)

Commented by かんくん at 2006-03-06 00:45 x
うはは!至極満足なり~♪w そっか、ディメンションはズラさない音をミックスしていたのか~。あの分厚い音は魅力ですよねー。

ギターのチューニングも2本の弦の微妙な音程の差を揺れとして認識できるからできるんですよね♪
Commented by kawamu at 2006-03-06 08:46 x
いやー詳しい...私はほんとうになんもしらんで楽器やってました。
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