その前に「ネック」考

ギターの生い立ちの前に、それぞれの「ネック」について少し。

ここでいう「ネック」とは、「指板」と「フレット」も含めて、ギターのボディとヘッドの間の
部分を指します。

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◆Fenderのネック◆
テレキャスターやストラトキャスターなど、代表的なFenderギターのネックはけっこう
細身で断面は三角形になります(といっても、角が立っているわけじゃないw)
また指板はラウンド(丸み)が大きく、どちらかといえばコードなんかでも、握りこんで
省略形で押さえたほうが引きやすい感じがしますね。
フレットも幅が狭く丸い形状のものがよく使われていて、山型で押さえる部分もトンが
ったような印象を受けます。
昨日の記事でも書きましたが、材は主にメイプルが多く指板までを一体削りだしにて
作成したワンピースが有名です。
特にヴィンテージと呼ばれる年代のものはこのワンピースが多く、そこからも代表的
な構造として認識されているわけですね。
ワンピース構造の場合、トラスロッドを埋め込むため裏側から溝を掘る、というお話を
昨夜しましたが、この溝を埋めるローズウッドなどのバーと、ヘッド側にあるキャップ
でその構造を図ることが出来ます(詳しくはギター特集でお話しますが)
またネックとボディの接合方法としては一部の製品を除き、「デタッチャブル・ネック」
という、ボディとネックをボルトで止める方法が取られています(「ボルトオン」ともいい
ます)
このためネックの破損などの場合、交換が容易である、という利点を持ち合わせて
いるんですね。
ボディとネックを別々に作成して「組み立てる」ことにより、製品としての製造年が異
なる場合もあり、ボディは58年製、ネックは59年製というようなものも存在します。

◆Gibsonのネック◆
レスポールやSGなど、代表的なGibsonギターのネックはどちらかというと幅が広く
断面はかまぼこ型になるものが多いです。
指板はFenderのソレに比べて平らな感じで、それまでに製作していたアコギの影響
が色濃く残っていますね。
GibsonのネックにはFenderのように指板が一体化したものはなく(例外的にあるか
もしれませんが)別々の材で作られているものがほとんどです。
よく見受けられるのは、マホガニーのネック材にローズウッドの指板を貼り付けたもの
で、有名なレスポール・スタンダードなんかもこれです。
上位機種では指板にエボニー(黒檀)が使われているものもあり、ローズウッドより目
が細かいので「ひっかかり」は少ないですね。
フレットは幅が広く背丈が低いものがほとんどで、レスポール・カスタムという機種
では、その低さのためフレットの存在が気にならない(=フレットレス・ワンダー)と
言われました。
さて、そんなGibsonネックですが、ここでも「ワンピース」という名称が使われます。
その意味はFenderのそれとは異なり、ネック材(前出のマホガニーの部分)が一本
の材から作られているということになります。
上質でありながらネック部分を削りだすことのできるマホガニー材は少なく貴重で
あったため、多くは3~5ピースを張り合わせた状態から作成されたこともあり、
この「ワンピース」構造のネックは一種のステイタスとなってます。
ネックとボディの接合方法は一部を除き「セットネック」と呼ばれる方法が取られて
いて、Fenderのようにボルトで止めるのではなく、フォークギターなどと同じように
接着された構造を持っています。
これはネック破損時の交換は大変ですが、ボディとネックに隙間が生じないため、
弦振動の伝達という面では優れたパフォーマンスを発揮します。
一般的にFenderよりGibsonのほうがサスティーンがあるように感じるのは、この
接合方法の違いも大きく関わっているのです。

◆スルーネック◆
これはメーカーの特色ということではなく、その機種の特徴ということになるので
FenderにもGibsonにも存在し、その後のメーカーでも採用された構造です。
有名なところでは、Gibsonのファイヤーバードやエクスプローラ、モッキンバード
のギターなどがあります。
その構造は特殊で、ヘッドからボディエンドまでをひとつの構造として作成してい
ます。
ところが、これだけの寸法のものをワンピースで削りだすのは大変な作業となり
また単材では反りや歪みが生じやすいので、普通は5~7枚の薄い板を貼り合わ
せています。
ところが1958年に発表されたGibsonのエクスプローラという機種はこれを一本
の材で作られており、そのシェイプからも「数十年早く作られたギター」と言われて
いますね。
この構造ではセットネックよりさらにボディとネックが一体化することにより、さらに
伝達面で効率がよい結果が得られます。
近年ではギターよりベースの上位機種に多く見られますね。

(こゆ話だと知恵熱が出ない鹿ですww)

というわけで、昨日の記事で登場した代表的なネック構造について、ちょと詳しく
書いてみました(^^) ←誰に向けてやねんっ!ww
これからぼちぼちと・・・ギター特集、始まります♪
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by shika_monologue | 2006-05-22 00:01 | 音楽・楽器の話 | Comments(13)

Commented by かんくん at 2006-05-22 00:12 x
おお・・、付け加えることがない!(笑)

ネックに関してはいつか、有名どころではスタインバーガーのグラファイト、相当異端児ですがトーカイのアルミなど、異素材の特集もおながいいたしますww
Commented by tomoshi-bi at 2006-05-22 10:07
毎度シロートが出てきてスミマセン。^^;
「FenderよりGibsonのほうがサスティーンがあるように感じるのは、この接合方法の違いも大きく関わっている」の部分をもう少し教えて下さい。そもそも「サスティーン」の意味も分かってませんので、その辺りからよろしく。^^; 弦の張力のことでしょうか? でも、ネックとボディの接合の仕方によって弦の張力に影響が出るとも思えないし・・・。
Commented by 奈良の鹿(仕事ちう) at 2006-05-22 12:38 x
「サスティーン」というのは「音の伸び」のことです。
「余韻」といったほうが判りやすいかもしれませんね(^^)
ボディとネックのジョイント部では、より密接な方がこのロスが少ない
ので、結果的に「音が伸びる」わけです。
Fenderの「ボルトオン」方式では、どうしてもジョイント部に隙間が
生じてしまうので・・・

ちなみに「弦の張力」のことは「テンション」といいます。
この言葉はたぶん、今後頻繁に出てくると思いますww
Commented by かんくん at 2006-05-22 12:38 x
ナミて誰やねん!(爆) ん?コミック?←知らん人w

サスティーンとは、音の減衰時間を指します。つまり「サスティーンがある」というと、弾いた弦の音が長く聞こえる、ロングトーンが得られる、ということですね。硬く重量のある一体化したモノほど、張った弦はいつまでも鳴りつづける、の法則でつ。
Commented by かんくん at 2006-05-22 12:40 x
ぐはぁ!同時刻レス!しかも負けたし! _| ̄|○
Commented by tomoshi-bi at 2006-05-22 15:02
なるほど、よく分かりました。いつも豪華な講師陣総出でお答え頂き、有り難うございます。^^
ちょっと外出したついでにヤ〇ハに寄ってみました。Fender のエレキ・ギターが意外に安かったのでビックリしました。もちろんピンキリがあるんでしょうが。←と言いながら、その値段でも買えない・・・。^^;
Commented by かんくん at 2006-05-22 15:37 x
それはフェンダー・ジャパンという、僕らの心強い味方です!w

20年位前になるのでしょうか、USAのフェンダー本社からのライセンスを受けて日本で発足した会社なんです。もともと楽器作りには定評のあった日本ですから、USAと遜色のない品質を、お求め安いお値段でw世界に提供しています。海外の愛好者も多いと聞いています。最近ではフェンダー・メキシコという会社も生まれたそうです。

ちなみにオイラが持っていたストラトとジャズベは、ジャパンですた。本家USAのスタンダードモデルは、たとえばストラトなら54年モデルや62年モデルといったレプリカを、日本のように安くはラインナップしていません。中古ヴィンテージ並みの値段でとても手が出ません(笑)

一度ジャパンのサイトを訪れてみてください。カコイイです。しびれますww
http://www.fender.jp/
Commented by かんくん at 2006-05-22 16:11 x
ごめんなさい。オイラの勘違いw m(_ _)m

↑はUSAの日本語サイトですた(^^;
ジャパンはこちら↓
http://www.fenderjapan.co.jp/
Commented by 奈良の鹿(仕事ちう) at 2006-05-22 16:24 x
ちなみに、写真のテレキャスもJapan製のもので、ストーンズの
キース・リチャーズの愛器をコピーしたものなんです(^^)
Commented by かんくん at 2006-05-22 16:38 x
そうそう、ナチュラルの80SPLの写真、イケベにあったよ♪
土鳩飛ばしておくね~。(土鳩かよw)
Commented by なおゆき at 2006-05-22 16:58 x
なんかスゴイことやってますね!
ぼくの1957レスポールスペシャルはネックが極太です。
正直弾きにくいです。笑

これから楽しみにしてますよー!
Commented by tomoshi-bi at 2006-05-22 21:24
かんさん、サイトのご紹介を有り難うございます。^^
ジャパンの方のサイトでカタログを見ても、今日ヤ〇ハで見たほど安いものは見あたりませんでした。ヤ〇ハに置いてあったのは何という機種かは分かりませんが、3万円くらいで出ていました。あれは、値引きをした価格だったのかも知れませんね。
Commented by 奈良の鹿 at 2006-05-22 21:32 x
今でもあるのかどうか判りませんが、Fender系列にはもうひとつ・・・
「スクウェア」というブランドがありJapanよりさらに安価な製品を出して
いたことがあります。
シェイプやらなんやらは全く同じで、パーツに安いサードパーティもの
を使ってたんですね。
あのブランドがまだあるなら、入門用にピッタシなんですけどね(^^)

なおさん>
ヴィンテージのレスポールはネック太いよね~(爆)もう丸太だもん(^^;)
もともとがジャズ用に作られたものだから仕方ないのかもしれませんが。
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