P.A.F.

レス・ポールというギタリストがおります。
この方はいろいろと新しいアイデアを出した方で、ご自分でギターを作ってしまうほど
でした。

彼はGibson社と協力して、自らの名を冠したソリッドボディのエレクトリック・ギターを
作りました、1952年のことです。


セス・ラヴァーという人物がおります。
この方は「ハムバッキング・ピックアップ」の生みの親なんですね。

ハムバッキングの誕生は1950年代前半なんですが、実際にギターに取り付けられて
デビューしたのは1957年です。
この年、後世に語り継がれる名機の第一歩が踏み出されたといってもいいんですね。


レス・ポールのアイデア満載のギターに、セス・ラヴァーが作ったピックアップが搭載
されたのが、1957年。
それまでこのギターにはソープバーと呼ばれるシングルコイル・ピックアップが取り付
けられていましたが、この年の半ばにハムバッキングに変えられ、黄金の組み合わせ
が実現したわけです。

そして、翌年の1958年・・・・ゴールド・トップに塗装されていたボディは・・・・・

いや、この話はここでは止めておきます(^^)


ハムバッキング・ピックアップの構造はエナメル線が逆向きに巻かれた二つのコイル
をベースに取り付け、そのなかをポールピースが貫いてます。
裏側に飛び出たポールピースには磁石が触れるように配置されており、これにより
磁界を得ています。
ポールピース自体は、ただの金属なんですね。
また、片方のコイルのポールピースはネジになっていて、これを回して弦までの距離
を調整できるようになっています。

d0021258_22591043.jpg


 これに対して、Fenderのシングルコイル・ピックアップはその名のとおりコイルは
 ひとつだけ。
 また、ポールピース自体が磁石になっていて、ネジではなくただの棒状のもの。
 そのため、最初からある程度のバランスをとって弦側の高さが不揃いです。



と、またまた横道にそれておりますが・・・(^^ゞ

ピックアップの宿命として、永久磁石にて磁界を得ているため、経年劣化によって
だんだん磁力が落ちてくるという現象があります。
単純に考えれば、それは音質の劣化を招く・・・ように思われますが、ピックアップに
関してはそうとも言えないんです。

「枯れた音」

ちょうどいい具合に磁力が落ちたピックアップが生み出すものは、「痩せた音」では
ありません。
角が取れ、深みを帯びた音・・・それが「枯れた音」なんですね。
これは世のギタリストが一度は憧れる・・・いわゆる「ヴィンテージ・ギター」の音。
その中でも一際有名なものが「P.A.F.」と呼ばれる、初期のハムバッキングです。

P.A.F. = Patent Applied For

現在のGibsonのハムバッカーには特許№が刻印されていますが、その誕生時には
「特許出願中」を示す「Patent Applied For」の黒いシールが貼り付けらました。

d0021258_20631.jpg

その頃のピックアップは「P.A.F. =パフ」と称されてヴィンテージ・ピックアップの
代名詞のようになっています。
これが・・・なんとも絶妙な「枯れ具合」で、当時の材で作られたギターと相まって
最高のパフォーマンスを発揮するんですね。

57年~59年頃のレスポールが特別視される要因のひとつはここにあるんです。

この「P.A.F.」というピックアップ、バブル時にはそれだけで1個20万円くらいしまし
たが・・・(汗)


d0021258_19593126.jpg
(^^)v
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by shika_monologue | 2006-06-01 00:01 | 音楽・楽器の話 | Comments(13)

Commented by かんくん at 2006-06-01 06:21 x
つまり特許申請中の頃のが激しく(・∀・)イイ!!と。なるほど~。磁力が弱くなるために「枯れる」というのは知りませんですた!その磁界の形まで真似ることが出来なければ、最初から弱い磁力でいいじゃん?て考えも通らないわけで。ん~深いww

ディマジオやダンカン、ビル・ローレンスなど後発のPUメーカーが、パフを研究してきた理由もわかりますネ。59という数字が、そのまま商品名になってしまうくらいですもんね(^^ゞ

そういえばフロントとリアに、まったく同じモノを搭載していたのですか?
Commented by かんくん at 2006-06-01 06:26 x
レス・ポールって人がギタリストだというのは知っていましたが、考えてみればいわゆるシグネイチャー・モデルなわけですね!ランダムスターを「TAKASAKI」って呼ぶのに等しい、みたいな。(呼ばんてw)
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-01 11:51 x
べるさん>

あーアレ、WinXPのデフォルトの素材みたい(爆)
あんなんが撮れる場所、そうそう行けるもんじゃないですって(^^ゞ

かんさん>

ボディやネックの「木」といっしょで、50年弱の年月は人の手では
作り出せませんね(^^)
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-01 11:57 x
あ、ネムカねww
かんさんと交換してみたのだよww
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-01 12:43 x
そうそう、ハムバッカーには品番があってフィロントPUは「○○○R」
リアPUは「○○○T」になってるから、現在のは専用ポジションみたい
やね。
当時はどうだったんだろ?一緒だったような気がする(PU外してみる
わけにもいかないから判んないやww)
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-01 17:14 x
うん(爆)
Commented by かんくん at 2006-06-01 18:24 x
あ、でも趣味とかの同じキーワードを登録した仲間同士でコミュニティが作れるという機能は、結構面白いんじゃないかとも思いますた。おもいっきり濃ゆ~いメンツが揃っててかなり笑えたww

ぜひオリジナルのミント状態を保ってて下さいませ >59
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-01 18:27 x
そいや「パフ」の復刻版であるGibsonの「'57 Classic」には、フロント・リアの
区別はありませんでしたね。
Commented by かんくん at 2006-06-01 18:37 x
ほほお。てかフロントとリアは、マウントされてるその「場所」が音色を決定的に決める要素なわけですから、同じでも問題はないんでしょうな。同じだって、前後で同じ音が出るはずはないし。
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-01 18:48 x
「R」と「T」の品番がついてるヤツは、微妙にポールピースの間隔が
違ったような気がするんだよね(^^)
リア側のほうがホンの少しだけ間隔広かったような・・・
Commented by かんくん at 2006-06-01 19:20 x
おお!それは合点のいく仕様!ポールピースが弦の真下にないと、な~んか気持ち悪いですもんねww でもRとTってなんの略なんでしょ?(^^ゞ Reguler と Tailpiece?
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-01 19:51 x
「R」と「T」のヒントは、レスポールのトグルSWんとこのプレート参照ww
Commented by かんくん at 2006-06-01 19:54 x
あ!Rythm と Treble か~!(綴り合ってる?w)
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