Authentic 本章

さてさて、実は「Jimmy Page Model」が登場したのは、すいぶん前の話で1995年のこと。
当初は通常の「'59 Vintage」のネックを削ってペイジが使用する「'59 Burst」に近づけたもので
VolumeとToneのポッドをSW付きにして、コイルタップ(注1)やフェイズ(注2)を可能にした・・・
ようするに流用だったわけですが。

最近になって作られた、この「Jimmy Page Authentic」はさらに「進化」しています。

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◆トップのトラ杢◆

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もともと、「Les Paul」に使われているトップのメイプル材は「ブックマッチ」という方法で組み合
わされたものがほとんどですが、これだと張り合わせたセンターを中心に左右対照の杢目と
なります(写真の「'59 Vintage」参照)。
しかしペイジが使っているギターは正面から見たときに「左上がりになる」ような組み合わせと
なっており、「Authentic」を作成する際にビルダー(ギターを作る人)がそのような杢目のもの
を選りすぐって採用しています。
さらに、この控えめな「フレイム」がなんとも「ペイジ」な感じに仕上がってますね。

◆削られたネック◆

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前にも書きましたがGibsonギターのネック(特にVintage)は非常に太くガッシリとしています。
が、ペイジのギターについては握りやすいように細めに削られており、断面は頂点が6弦側に
寄った変則的な三角シェイプになっているのです。
(これは入手したときにはすでに削られていたらしいですが、製品として世に出た時点では他
のものと同じで太かったみたいですね)
「Authentic」は実際にペイジのギターのネックから型取りし、オリジナルに忠実にネックを削り
出すことにより、ホンモノに迫る弾き心地を実現しています。
(写真を見れば、その薄さが一目瞭然ですね)
また、ネックとヘッドの角度が17゜になっているんですが、これも年代によって様々なんです
が、58~59年製のものに合わせています。

◆グローヴァー・ペグ◆

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ペグ(糸巻き)な当時のギターには「クルーソン」というメーカーのものが使われており、簡単
な構造のものなので重量も軽く、その状態で全体のバランスがよくなるように設計されている
んですが、ペイジが付けていた「グローヴァー」のものは糸巻きのトルクが調整できるように
なった複雑な構造のもの・・・ゆえに重量も増加し、ギター全体のバランスから言えばよくは
ありませんでした。
が、チューニング機能は「クルーソン」のものより優れているため、ステージで縦横無尽に
弾きまくるペイジにとってはこのほうが良かったんでしょうね。
「Authentic」はノーマルな「クルーソン」から、わざわざ「グローヴァーに交換したようなネジ
穴を開けるなど、細部にまでマニアックともいうべき拘りが見られます。
(しかも、ゴールドだったメッキをわざわざ剥がしたような仕上げに注目w)

◆ブリッジ・ロック◆

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ブリッジはギターにとって弦高を決定する重要なパーツです、とともに弦の振動をボディに
伝える命綱的なものでもあるわけで、ペイジはナット(写真に見られるブリッジを支える円盤
みたいなパーツ)を二重にすることで、より強固な連携が出来るようにしていました。
「Authnetic」でもこの部分は二重構造になっています。

◆ピックアップとジャック◆

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ピックアップは「P.A.F.」を再現した「'57 Classic」というモデルをさらに改良した「BurstBucker」
というタイプを使用。
50年代後半の音を忠実に再現しています。
また、シールドを差し込むジャック部分は、ZEPPの過酷なライブツアーを耐えるようにゴツい
金属板で造られ、これまたゴツいネジで止められたペイジの愛機の仕様を見事に再現して
います。

◆仕掛け◆

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ペイジのギターにはSWが取り付けられ、いろんな音色を造れるようになっている・・・という
のは前に書きましたが、「Authentic」ではトーンPODをSW付きにすることでこれを実現。
初代の「Jimmy Page Model」は4つのPOD全てにSWがついていて、二十数種類の音作り
が可能でしたが、ちょっと簡略化されてますね。
でも、出来ればピックガードの裏に・・・ペイジのものと同じようにSWを付けてくれたら・・・・
なんていうマニアックな人は私だけではないと思いますね(笑)

◆フェイドアウト◆

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このように細部まで拘って、ペイジのギターを再現しようという心意気が感じられるような
一本となっていますが、それはボディのカラーリングまで及んでおり写真のようにホントに
ホンモノと見まごうばかりの仕上げになっています。

ペイジ・ファンばかりでなく、Gibsonのネックはちょっと太いゾ・・・と思っている方にもコレは
オススメですね♪(^^)、高いけど(爆)


さて、今回はちょっと寄り道をして一つのモデル限定でお話をしましたが、次回からはまた
他のギターについて続けます。
それまで、しばし休憩をww


                                               (つづくw)


【ちょびっとコラム】
ペイジが使っている「Vintage Les Paul」は2本あるって知ってます?
一本は58年製のもので「左上がりのトラ杢」はコチラのギターなんです。
で、例のスイッチがついてるほうは59年製で、ジョー・ウォルシュから譲り受けたもので、
普通の「ブックマッチ」タイプの杢目です。
だからホントはこの組み合わせが1本のギターで網羅されるのはウソなんですよね(笑)
(ちなみに、このギターのようにリアPUのカヴァーが外されているのも58年製w)
あ、それからSWを付けようとしたのは「人から貰ったギター」だからということではないの
で、念のため(爆)・・・・ていうか・・・くれるか?ふつー(-_-;)


(注1)
ハムバッキング・ピックアップには二つのコイルがありますが、これの片方をパスして一つ
のコイルだけの出力を得る(ようするに擬似シングルコイルとする)ための回路。
Fenderのソレよりさらに「シャリシャリ」の音になるが、もともと一つのコイルは小さいので
音も小さく、ノイズが目立ちます。

(注2)
「フェイズ」とは「位相」のことですが、ハムバッキングは二つのコイルを逆位相で接続して
いる、という話を前にしましたね。
「フェイズSW」(正確には「フェイズアウトSW」は片方のコイルの位相を反転させるように
した回路で、一つのピックアップの中に「同位相」のコイルが並ぶことになります。
結果、弦の振動は打ち消しあい「コイルタップ」よりもさらに「シャリシャリ」な音が出ます。
しかし、元来ハムバッキングのコイルが「逆位相」になっているのは「ノイズ」を打ち消しあ
うためなので「フェイズSW」を使うと逆に「ノイズ」が増幅されることになり、さらに目立って
しまいます。

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by shika_monologue | 2006-06-17 00:03 | 音楽・楽器の話 | Comments(4)

Commented by JAM at 2006-06-17 17:36 x
ん~、音はよく判りませんがw綺麗ですね~。

やっぱり木目って素敵ですね。作りものじゃないからそう感じるのかな?
Commented by かんくん at 2006-06-17 18:24 x
↑高進さんだからじゃなかったん?ww

片方の位相をひっくり返すと、波形で言うところの同じ成分が打ち消しあって、いわゆる「差」だけが出力されてくるわけですが、音でいうと、鼻のつまったような感じに聴こえるです。TVなどでもよく耳にする曲としては、クイーンのギターがそんな感じ。>JAMさん

しかし、4つのポットって、よくわかんないな(笑) しかもピックガード裏もでしょ? ペイジ、ちゃんとわかって操作していたのだろうか?(爆) フェンダーネックに慣れたオイラとしては、薄~いこのネックにはかなりそそられます。ええ。そそられるだけです。手が出ませんww

俺にもくれよww >ジョー・ウォルシュ
(彼も有名なレスポールプレーヤーだね♪)
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-17 21:27 x
いや、ピックガード裏のSWは二つだけなのよ。
コイルの直列・並列の切り替えとフェイズSWらしい(今ちゃんと調べたw)
んですね(^^;)
(スキャナがあったら画像UPできるのにな~ww)
Commented by 奈良の鹿 at 2006-06-17 21:32 x
JAMさん>

でしょ?でしょ?美しいでしょ?(^ω^)
欲しいんですよ~・・・無理だけどww
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