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”CASTER”の始まり

ヘッドのモデル名については、かんさんち「補完」を参照してくださいね(笑)


1950年、それまでJAZZやBLUESの世界で比較的大人しく弾かれていたエレクトリック・ギター
が大きな変貌を遂げることになります。

ホローボディから、ソリッドボディへ。

単純に小さくなっただけのように見えますが、それは「アクション」を伴う音楽のは大きな影響
を与えました。
取り回しが容易になったことで、エレクトリック・ギターは”ROCK”の世界へと羽ばたいていく
ことになります。

事の起こりは一人の人物からでした。
レオ・フェンダーは大きく繊細なボディを持つホロースタイルのギターにはない弾き方ができる
ような新製品の開発に乗り出します。
それまですでに開発されていたピックアップからの信号に重きを置いたその製品は、肩から
下げた状態で自由に動き回ることができ、奏者の表現力は飛躍的にアップしました。

ドレッドノートのシェイプからヒントを得た形状は、しかしハイポジションでの引き易さを考慮し
ネックとボディの接合部に深いカッタウェイを持っており、ボディの薄さとも相まってより過激
なフレーズにも対応しています。
さらにそれまでのギターには見られなかった試みとして、チューニング・ペグを片方6連配置
としたり、ネックとボディをボルトで固定する方法を取ってみたり・・・と、新しいプロダクトとし
ての特徴が盛り込まれていました。

当初、レオはこの製品に「ブロードキャスター(BROADCASTER)」という名前をつけましたが
すでにグレッチ(GRETCH)から同名のドラムセットが発売されていたため名称の変更を余儀
なくされます。

Fenderギターにはヘッド部分にモデル名のシールが貼られていますが、ブロードキャスター
にもこれがあります。
しかし、商標問題で名称が使えなくなった期間にはこのモデル名がないものが存在していて
「ノーキャスター(NOCASTER)」と呼ばれているんですね。
(実際には何も貼られていないので「○○CASTERではない=NOCASTER」なのですが)

(ね、ヘッドに何も貼ってないでしょ?・・・・・て、見えへんがなっ!w)
”CASTER”の始まり_d0021258_23215796.jpg

その後、当時流行りだしていたテレビにちなんで、「テレキャスター(TELECASTER)」という
新しい名前を与えられたモデルは本格的なソリッドボディのエレクトリック・ギターの元祖と
して現在まで脈々と続いているのです。

(ね、ヘッドに「TELECASTER」って貼ってるでしょ?・・・・・て、だから見えへんてww)
”CASTER”の始まり_d0021258_2322297.jpg



と、ここで楽器に詳しくない方には聞きなれない名前のギターがあります。
その名も「エスクワイヤー(ESQUIRE)」。

(ね、ヘッドに「ESQUIRE」って貼って・・・・・て、光っとるがなっっ!!www)
”CASTER”の始まり_d0021258_23232220.jpg

間違い探しではありませんが、「テレキャスター」と何が違うでしょう?
そうです、フロント・ピックアップ(ネック側のプックアップ)が無いんですね。
ようするに「テレキャスター」の1ピックアップ版が「エスクワイヤー」なのですが・・・

この表現は、じつは間違っているのです。
もともと「エスクワイヤー」のほうが歴史が古く、その2ピックアップ版として「テレキャスター」
が誕生したので、ホントの元祖はこの「エスクワイヤー」なのです。

しかし現在では「テレキャスター」のほうが有名なので、「エスクワイヤー」の存在感が薄く
なってしまったんですね。

さて、この「エスクワイヤー」「テレキャスター」の登場から2年後の1952年、ライヴァルで
あるGibson社からこれに対抗すべく、新しいソリッドボディのギターが発表されます。

が、それはまた別のお話ww


【かんさんへ】
ちなみに、私は「テレキャスターを所有したことがない」と言っておりますが・・・
なにを隠そう、この「エスクワイヤー」は持っていたのであります(Japanですがww)

by shika_monologue | 2006-05-30 00:20 | 音楽・楽器の話 | Comments(7)

Commented by かんくん at 2006-05-30 06:36 x
な・なんと!ジャパンからエスクワイヤーが出ていたとわ!(←そっちかい!) 確か普通はPUセレクターなのにひとつしかないから「なにか」のスイッチなんですよね~♪ (←素直じゃないなw 知らないんだろ?ww) でも知ってることがひとつ。ブルース・スプリングスティーンは実はテレキャスではなく、エスクワイヤーにフロントPUをあとから増設したもんなんですって。彼のポスターに憧れてギターを選んだのはホントは鹿さんなのでした~(^^ゞ (そうか?w)

しっかし、エレクトリック・ソリッド・ギターって、最初っから完成しちゃってるよね!出る音だってきっと今のと大差ないですよ。せいぜいアームがなかったり、シングルコイルPUだというくらいでしょう?さすがにレオおじさんもアンプを歪ませて作る音が流行るとは思ってなかったでしょうけど。そういう演奏スタイルというものは、後の偉大なプレイヤーたちの功績だけど、エレキギターそのものからインスピレーションを受けて生まれてきたと思うんですよね♪ それはまあテレキャスに限ったことではないんですけどね(笑)
Commented by かんくん at 2006-05-30 08:05 x
ギターに限らずそれまでの楽器というものは、職人の手による工芸品のような風格みたいなものがないと認められないみたいなところがあったじゃないですか。その路線で押し進めたのはギブソンだと思うんですけど、レオじいさん(年とった?w)が作り出したこのギターは、どちらかというと工業製品みたいな風合いなんですよ。もちろん基本的には職人が作るんですが、金属の大きな木ネジや化学樹脂素材がふんだんに使われていて、この、バランスの良い見事なカタチや、それまで聴いたことのない刺激的なサウンドがなければ、もしかしたらオモチャ同然な扱いを受けていたのかもしれません。

と、物心ついたときにはすでにこのギターはあったし、愛用するギタリストを見て育ってもいたので、発売当時を想像するしかないのですがね(^^ゞ
Commented by kankun2006 at 2006-05-30 09:30
ロゴが本当に見えないので(爆)、拡大写真ググってうちで並べてみますた(^^ゞ
Commented by 奈良の鹿 at 2006-05-30 20:18 x
かんさんが、ヘッドの写真を集めてくださいました♪

多謝っ!(^^)v
Commented by 奈良の鹿 at 2006-05-30 20:22 x
「エスクワイヤー」のワイヤリングはローカット、ノーマル、ハイカットみたいな
感じになってたように思うんですが・・・改造してたから忘れちゃったww
Commented by かんくん at 2006-05-31 18:01 x
そうかやっぱり簡易トーンセレクターとしての役割なのか。って忘れないでヨww オイラ、位相切り替えのスイッチ内蔵しましたよ♪ 鼻のつまったような音が出て、ちょとだけブライアン・メイ気分になれますた(^^ゞ 直列回路も仕込みまして、擬似ハムバッカーにも出来るようにしました。音は今ひとつでしたね。
Commented by 奈良の鹿 at 2006-05-31 21:23 x
私はディマジオのシングルサイズ・ハムバッカーにしてブースター組み込んでたから
セレクターはブースト・ノーマル・フェイズアウトにしてたのねww
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